精神障害者保健福祉手帳を申請しようか・・・

ASDの娘と向き合って
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 こちらの記事でも少し触れましたが、娘の自閉スペクトラム症(ASD)に対して、精神障害者保健福祉手帳の申請を検討しています。

 気持ちのハードルが高い、いわゆる障がい者手帳の申請。

見た目にはわからない発達障害で、障がい者手帳を取得することについて、私たち親子が話し合い、考えた意味と目的について。

「障がい者手帳(精神障害者保健福祉手帳)」と言う名前の重さから、迷っている方がいましたら、参考にしていただけたらと思います。

精神障害者保健福祉手帳を取得しようと思った動機

 私の友人の中には、子どもさんが娘と同じように学校で職場で、対人関係や誰もが当たり前のようにできることができずに悩んでいる人が少なくない人数います。

「発達障害」を知っている人もいれば、娘の話しに子どもさんを重ねて気づく人もいます。 

その中のある友人は、娘の精神科受診やカウンセリング通いなどに対して
「たいていの人は、そういうこと(発達障害であること)に目を逸らそうするのに、なぜどんどん明らかにしようとするの?正面から向き合うことが自分にはできない」と言います。

ん~・・・たしかにわからなくもない。
明らかにするということは、上手く生きることができないと認めること。
つまり、ハンディキャップがある、障がい者であることを認めていくこと。

そりゃ、私も娘が年相応に学校に通いバイトをして、夜遊びして旅行して、恋愛して・・・が、できると思っていたい。いたかった。

でも、娘にはそんな当たり前のことが難しいことが、徐々にだけれどはっきりとわかった。
わかったときは落ち込みもしたけど、前が見えなくて、どこに向かって行けばいいのか全く分からなかったあの頃を思い出すと、動かすことのできない現実に向き合わなければいけないけれど、少なくとも方向がわかるようになっただけ、ずいぶん楽だと思うようになった。

留年をして、現在大学3年生。就職はもう目の前です。これまで悩んで苦労したからこそ、今わかった娘のことを周囲にどうしたら理解してもらえるのか?理解してもらう技はないのか?と考えていました。

そんな時、聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)の担当医が、精神障がい者福祉手帳の申請を提案してくれました。

「ほぉ~・・・手帳の申請か~」

調べてみました☝

精神障がい者福祉手帳とは

申請するメリット、デメリット

今回はこちらのサイトを参考にさせていただきました。

発達障害と障害者手帳|手帳の種類や申請手順などについて解説します
【専門家監修】子どもに発達障害の傾向や診断があり、障害者手帳の取得を検討している保護者の方もいるでしょう。 障害者手帳を...

 私は、選択肢に迷ったら、そのメリットとデメリット、その両方を調べて比較します。

デメリット
 ◦特になし

メリット
 ◦障害者雇用での就労ができる
 ◦各種税金の軽減
 ◦公共交通機関の割引
 ◦NHKや携帯料金などの割引
 ◦公共施設の割引料金の適応等

その他サイトでも、おおむね同じような内容でした。

 メリットについては、もうすぐ就職活動にはいる娘には、もしかしたら「障がい者雇用での就職」は必要になってくるかもしれませんね。
金銭的な優遇については、いくつかあるものの、特に大きく娘を助けてくれそうなものはみつかりません。

そして、デメリットは・・・・「なし」
・・・・本当?
いくつかのサイトを参考にさせていただきましたが、すべてこう書いていました。

しかし、その前提(?)として、
「障がい者手帳を持っていることは公表する必要はないため・・・」とあります。

そういうってことは、障がい者手帳の最大のデメリットが「自分が『障がい者である』と人に知られること」である、と言うこと?

なぜどんどん明らかにするのか?と言った、友人の言葉が頭に浮かびました。

私たち親子は、そこを考えました。

障がい者であることを認めること

これまで、娘が苦しんで追い込まれてきたことの大きなことが、

「発達障害は目には見えないこと」でした。

「見えない」から「わからない」「気づけない」
「見えない」から「わかってもらえない」「気づいてもらえない」

障がい者手帳を持ち、必要な場面で「ASDが原因で困難である」と示すことができれば、高かったハードルを下げてもらいやすくなるかもしれないし、周囲もハードルが高いと感じているんだ、と理解につなげやすくなるかもしれません。

私たち家族も含めて周囲の人間は「娘を理解(把握)できないこと」が問題でした。

「がんばっていないんでしょ?」
「わかっているくせに」と、実際に私は娘に対して思い、心無い言葉をかけた場面は限りなくありました。

でも、私の中の「当たり前」や「普通」はA娘には遠く理解がしにくく、その原因がASDだから、ということがやっとわかりました。

わかるまでは本当にお互いが「なんで?」「どうして?」と、交わらないしんどさを感じ続けていましたが、明らかになったおかげで、歩み寄りのポイントが分かりやすくなったのはいうまでもありません。(それでも衝突はするのですが・・・)

その点を話し合い、娘も同感していて

娘「これまでのしんどさを考えると、周囲にASDだと示せず、理解をしてもらいにくいことが私にはデメリットかもしれない。手帳で自分に「障がいがある」と示すことができるのは助けになると思う」と言いました。

娘と私の両方がこの結論にたどり着いて初めて、私たち母娘はASDの障がい者手帳申請に対して「デメリットはないね」と手帳を申請する気持ちになりました。

精神科医の見解

 精神科医に相談したところ、日常生活に困ってはいるけれど、人の助けを借りなくとも自立できているので、現状の娘の状態での申請は「通らないと思う」ということです。薄々感じていたので、意外ではありませんでしたが。

ただ、聞くことができてよかったと思った意見が、仮に手帳を持つことができたとして、希望して障がい者枠の雇用をされた場合、その手帳での優遇がもしかしたら、能力に見合わない、自分としてはもっとできるのにと不満足な優遇を与えられるかもしれない。

ん~・・・それは、リアルなデメリットですね。

でも、先生は「持っていて必ず出す必要はないから、必要な場面で引導のように使ってもいい」と。

なんだか自分勝手なような気もしますが、、、、。

精神科医とは、申請を視野にいれつつ、今後カウンセリングも含んだ診察を重ねていくことになりました。

思うこと

 私が母親として望むことは、ただただ、娘が楽しく人並に人生を歩んでほしい、ということだけ。

精神障害者保健福祉手帳がなくとも、娘が自分の特性を理解し、周囲との関係にバランスを取ることができること。

今は、その歩みの途中だと思います。

いろいろな方の力を借りながら、見えなかったものが見えて娘の泣き顔がひとつでも減ってくれることが、私の一番の望みです。

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