「みなし保育士」をする看護師は保育をするの?看護をするの?

こども園看護師
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   みなし保育士ってなんだ?

 全国のこども園、保育所で働く看護師って何人くらいいるんだろ~?

こども

 調べてみると、2007年の全国保育園保健師看護師連絡会の「保育所保育指針の改訂にあたっての保育園看護職からの意見」という資料に約5千人という記述を見つけました。

現在2023年・・・16年たっていますが、その人数と役割はどうなっているのかなぁ?

UPしました♪

みなし保育士制度

保育所における保健師又は看護師の配置については、児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令(平成10年厚生省令第51号)附則第2項の規定により、乳児4人以上を入所させる保育所に係る保育士の数の算定について、当分の間、当該保育所に勤務する保健師又は看護師を、1人に限って、保育士とみなすことができることとされているが、「平成26年の地方からの提案等に対する対応方針」(平成27年1月30日閣議決定)を踏まえ、本日、児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令及び家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令(平成27年厚生労働省令第63号)が別添のとおり公布され、平成27年4月1日以後、当該保育所に係る保育士の数の算定について、保健師又は看護師に加え、准看護師についても保育士とみなすことができる等とされた

厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知 平成27年3月31日

看護師が保育所に配置された背景は?

 保育所に看護師が配置された経緯も調べてみると、1969年(昭和44年)の国の通達に始まり1977年(昭和52年)に一時は乳児指定保育所制度の制定で0歳児9人以上の施設において看護師または保健師1人設置義務と決まりました。しかし、保育所管轄の児童福祉法にはその義務はなく、宙ぶらりんで放置。

 その後、1994年(平成6年)のエンゼルプラン※1が開始するも、待機児童増加による乳児保育指定保育所制度の廃止され、全ての保育所で乳児保育が可能となり、これによる職員配置基準の変更で看護師または保健師の配置基準が削除されるという始末。

 10年後の2009年(平成21年)4月厚生労働大臣告示の保育所保育指針に看護師の役割が盛り込まれましたが、それでも保健師、看護師がなかなか集まらない現状から、2015年(平成27年)にさらに准看護師も加えて条件下において、保育士としてみなす雇用が導入されたようですね。

そして、その雇用に対しては、

・保育所等において、看護師としての知識を生かしながら、保育業務に従事すること 
・嘱託医、かかりつけ医等の医療機関との連携体制の確保はこれまでと同様に必要であることから、適切にこれを確保するようにすること
・子育て支援員研修のうち「乳幼児の発達と心理」「地域保育の環境整備」「安全の確保とリスクマネジメント」「乳幼児の生活と遊び」「小児保健」といった科目のほか、乳幼児期の食物アレルギーの基礎知識等についての研修の受講を推奨すること

が、留意事項として挙げられており、これにより、大変うまく「看護師」であり「保育士」にもなれるという役割が作られたようです。アッパレ!


※1 エンゼルプランとは、1994年(平成6年)に制定された「今後の子育てのための施策の基本的方向について」と題する子育て支援10カ年計画案。当時の文部・厚生・労働・建設の4大臣の合意のもと少子化が与える子どもへの影響や社会経済など様々な分野への影響を考慮し、子育て支援が行政や企業・地域を含めた社会全体の課題と位置づけ、日本で初めての総合的な少子化対策・子育て支援として策定された。また、5年間を整備目標とする「緊急保育対策等5か年事業」が特に緊急に整備すべき保育対策等として策定されました。

みなし保育士?!さらなる規制緩和?!

 これらのことから、医療職としての役割が指針には一応示されているものの、実際の保育所で働いている看護師は、本物の保育士さん不足からみなし保育士としてのウェイトが大きい状態での採用がほとんどのようです。

現場では看護師が看護の役割を与えられていない!ナンデッ

 そして、今年2023年にさらに規制緩和されるとか?! 

これは、看護師に何をさせたいのか?保育?看護?

何を解消したいの?現場の医療者不足?保育士不足?

医療現場にも看護師は余っていないですが・・・。

みなし保育士・・・保育士の資格は国家資格です。
その国家資格を持っていない看護師ってみなせるの?はぁ?

 そして、そのみなし保育士をしている保育所勤務の看護師の友人は、「保育士」だけど「看護師」の役割の与えられ方にとても怒っています!

 そんな友人の一日は、一定時間保育室にこもると年下の保育士にアゴで使われ、その間にケガや熱のなんだかんだで「あ、呼ばれたんでちょっと外します💦」と言って、肩身狭く保育室を抜ける。
慌ててケガ、熱対応をしてまた保育室に戻ってアゴで使われお手伝いする
夕方にやっと保育から解放されたと思ったら、昼間できなかった保健業務をまたケガなどの対応の合間にする。

「保育士、看護師どっちなんだ~!すべてが中途半端になるんだよ~~!」と爆発しております。

お互い、これでいいの?
これで「保育の質が向上できました!」って言えてるの?ってねぇ~。

ほんとにこれでいいのかなぁ~?

なんでもやる看護師

 たしかに、看護師は言われれば何でもやります。
しかも、受けた教育がしっかりした看護師なら、責任感を持ってやり通すための努力もします。

 実際、私も保育こそしなくていいけれど、担当しているまたは、足を顔を突っ込んでいる業務は数知れず💦

 たとえば、園の栄養士が担当することが一般的な園児の食物アレルギーの管理。
もともとは、アレルギーに対する頓服薬の預かりや管理、また症状が出たときの対応、体調管理が私の担当でしたが、2年前に新しくきた栄養士がなぜか食物アレルギーの素人のような人で、一度保護者とのトラブルを起こしたので、それ以降は保護者との面談、園内の管理、担任との連絡、保育室での管理のチェック、書類管理などすべてが私の仕事になりました。
そして、今は園内の食物アレルギーガイドラインの作成もしている始末。

使えない栄養士だからって、国家資格の栄養士を使わず看護師が役割担当するって、どうなの?

それと同じがみなし保育士だよね。

「保育の質向上」なんて言ってるけど、不足する保育士の穴埋めに看護師ってだけなのがありあり。

看護師も安くみられたもんだ。

専門職の扱い

 私が学生だった頃は3K(キツイ、クサイ、キタナイ)と敬遠された看護師は、今や親が就かせたい職業No1の「専門職」「資格」の代名詞です。

そして、働く現場も病院など医療現場の枠を超え驚くほどさまざまです。

転職サイトも活発で、私もなにかとお世話になっているサイトがこちらです。

看護師の求人・転職・派遣なら【MC-ナースネット】
看護師のバイト 求人なら友人紹介実績業界 No.1 の【MC-ナースネット】みんなに伝えたい、看護師の転職・バイト・派遣...
大阪・関西の看護師求人・派遣・転職【メディカルステーション】
大阪・関西で常勤・正職員への転職から、派遣・パート、単発の働き方まで。求人数13293件。ライフスタイルにぴったりな看護...

でも、これらサイトで「保育所看護師」「こども園看護師」の求人を検索してみると、公立、私立を問わずほとんどがパートや嘱託や非常勤採用で正職での採用はまずありません。

そんな私も月~金曜日勤務の8時半~17時勤務の嘱託採用です。
(だから、転職サイト登録をし続けている)

保育現場では、看護師にはみなし保育士も看護業務もさせるけど、正職では雇わない。
それが現実です。
(ただし、行政により例えば「市職員」での正職採用で、配属先が「保育所」「こども園」としている市町村もあります。そういうところは、医療ケア児もどんどん受け入れて進んでいます。スバラシイ

 保育士が看護師の友人をアゴで使うのも、志をもって資格を取った保育士さんは現在の制度(みなし保育士のこと)に納得がいかないという気持ちの表れです。

そして、保育所を職場としている看護師も、自分の資格に自覚を持ち看護師の役割をどう果たそうかと思い悩み、努力しているのです。

お互いのこんな感情で本当によい保育が、みなし保育士の利用でできてるのでしょうか?

 不足を補うだけの行き当たりばったり、その場しのぎの対策ではなく、資格を尊重した雇用を推進して、子育て世代に本当の支援をしてあげてほしいですね。

 ここまでお読みいただき、ありがとうざいました。
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